2019.02.20

【後編】化粧品に配合されている防腐剤は悪者?正しい知識で正しい化粧品選びを

ayame
ライター:
ayame
多くの化粧品に配合されている防腐剤。前編ではその役割や安全性、避けるべき時などについてお話しました。
後編である今回は、最近見かけることが多くなった「無添加化粧品」や「パラベンフリー」、「防腐剤フリー」のアイテムなどについてお話していきます!

敏感肌の人やアレルギー肌の人に嬉しい「無添加処方」

最近はオーガニックやナチュラル系コスメがすごく人気ですよね!海外のオーガニックブランドが日本での展開を開始したり、国内メーカーがナチュラルブランドを新しくつくったり、プチプラアイテムでもナチュラル系アイテムを見かけるようになりました。

そんなナチュラル嗜好の流れのひとつとして、この頃「無添加処方」のアイテムも増えています。「無添加」の基準はメーカーによって異なるものの、多くは着色料や香料、合成界面活性剤、シリコン、鉱物油、防腐剤、アルコールなどを使用していないアイテムのことを指すようです。

化粧品に配合される成分は、添加物を含めすべて肌にとって安全性が立証されたもの。けれど、人によっては肌に刺激を感じることも……。というわけで、敏感肌の人やアレルギー肌の人の場合、「無添加処方」と銘打ったアイテムはありがたい存在と言えますね!

「パラベンフリー」や「防腐剤フリー」のからくり

肌が不安定なときは、肌にとって本来必要ない成分、すなわち添加物は避けるが吉です。でも、肌にとって不要でも、化粧品にとっては欠かせないものがあります。

そう、それは防腐剤。前編でも説明した通り、防腐剤は化粧品を安全に最後まで使い切るために配合されています。微生物に汚染された化粧品を販売することは許されていないし、微生物が増殖しやすい化粧品も販売できません。

でも、無添加アイテムにはよく「パラベンフリー」とか「防腐剤フリー」とか書かれてますよね?
いったいどういうことでしょうか?

「パラベンフリー」=「防腐剤フリー」ではない!

パラベンは代表的な防腐剤で、いろいろな種類の微生物を殺すことができるとても優秀な成分です。(メチルパラベンやエチルパラベンなど、種類がいくつかあります)

ただし、パラベンはすべての化粧品において配合量に制限があります。具体的に言うと、100g中の最大1gしか配合できません。パラベンのように「配合できるけど配合量に制限がある成分」を一覧にしたものをポジティブリストといい、同じく防腐剤のフェノキシエタノールも含まれています。

勘がいい人はここでもう気付いたでしょう。そう、「配合量に制限がある」ということは「大量にガバガバ配合できない成分」であり、それはつまり「大量に配合すると肌に危険」ということなのです。よって、敏感肌用アイテムやオーガニックアイテム、ナチュラル系アイテムでは「パラベンフリー」のものが多いわけですね。

しかし、「パラベンフリー」はあくまでも「パラベンを使っていない」ということ
防腐剤にはパラベン以外にもいろいろな種類があり、パラベンの代わりにフェノキシエタノールやヒノキから抽出した殺菌成分ヒノキチオールなどが配合されているのです。パラベンの代わりとなる成分は殺菌力こそパラベンに及ばないものの、立派な防腐剤。「お肌のために防腐剤を使ってないものを選ぼう♪」なんて言いながら選んだのがパラベンフリーアイテムだったりすると、元も子もないというわけです。

じゃあ「防腐剤フリー」のアイテムなら防腐剤は絶対使ってない?

「防腐剤フリー」あるいは「防腐剤不使用」と書かれた成分であれば、防腐剤は使用されていません。
ただし、防腐作用のある成分は配合されています。「え?どういうこと?」と驚く人もいるかもしれませんが、要は、防腐剤以外にも微生物を殺したり増殖を抑えられる成分はある、ということです。

化粧品に配合できる防腐剤はすべてリスト化されています。それが前述のポジティブリストだったり、あるいは配合自体が禁止されているネガティブリストですね。このリストに記載されている防腐剤を使用していないのであれば、それは「防腐剤フリー」アイテムと言うしかないでしょう。

けれど、化粧品に使用される成分のなかには、メイン作用にプラスしてサブで防腐作用をもつものもいくつかあるのです。例えば、水溶性保湿成分としてメジャーなBG(1,3-ブチレングリコール)。刺激性がないため、化粧水をはじめ多くのアイテムに配合されています。基本の作用は保湿ですが、化粧品の保存性を高める作用もあり、使用する防腐剤を減らしたり防腐力の弱いアイテムでも安全性を保てるようになります。また、DPG(ジプロピレングリコール)もBGと同じく、化粧品の保存性を高める保湿剤。植物エキスにも殺菌効果があるものがあるし、メーカーによっては独自の研究や技術によって防腐作用のある成分を得ています。

つまり、防腐剤を使用していないアイテムはあっても、防腐成分が配合されていないアイテムなんてほとんどないということですね。

問題なのは、防腐剤は配合量に制限があるのに対し、サブで防腐作用をもつ成分は配合制限がないこと。十分な防腐力を得るためにはたくさんの量を配合しなければならず、場合によっては防腐剤配合のアイテムより防腐剤フリーのアイテムの方が肌への刺激が強くなってしまう可能性もあります。

防腐力の弱いアイテムのメリット・デメリット

ここで改めて、防腐力の弱いアイテム、つまりパラベンフリーや防腐剤フリーのアイテムのメリットとデメリットをまとめてみましょう。

1番大きなメリットは、肌への刺激が少ないことですね。敏感肌の人やアトピー肌、アレルギー肌の人でも使用できるし、肌荒れなどのリスクも低減されます。けれど、前述の通り防腐剤フリーだと、ときに防腐剤配合のアイテムより刺激があることも……。化粧品を選ぶ際には肌との相性確認がとても大事になります。

デメリットはというと、やっぱり微生物汚染のリスクが高いこと。使用や保管に注意が必要だし、開封したらなるべく早く使い切らなければいけません。メーカー側もそれを見越して特殊な容器を採用したり、あえて容量を小さくしていたりします。その分価格が高くなる場合も多いので、コスパを重視する場合はあまりおすすめとは言えません。

防腐力の弱いアイテムの使用や保管で注意することとは?

まず意識したいのは、微生物を混入させないこと。とはいえ、そんなのは現実的に不可能です。微生物は私たちの肌に常に存在しているし、空中にも無数に存在しています。せめて混入する微生物を最小限にする工夫として、容器から直接手でとるアイテムは手を清潔にしてから使いましょう。スパチュラなどがあれば、それを使用するのが望ましいですね。ただし、スパチュラは毎回綺麗に洗浄して乾かしてください。また、一度手に出した化粧品は容器に戻さないこと、容器の開口部には触れないようにすることも意識しましょう。

保管するときは、パッケージなどに記載してある保管方法をしっかり守ればOK。絶対に気をつけたいのは、水分の混入です。微生物は水と栄養があるところで増殖するので、化粧品への水の混入はNG。水場を避け、乾燥した場所で保管するのが望ましいですね。

ライターayameのおすすめはポンプタイプの化粧品。容器の口を大きく開けることがないし、一度出した中身が中に戻ることもありません。微生物汚染のリスクをかなり小さくできるでしょう!

メリット・デメリットを理解して自分のスタイルにあった化粧品選びを

私たちの肌は常に一定ではなく、気候、体調、心の調子でも簡単に変化します。肌の変化に合わせてスキンケアも臨機応変に変えるためには、防腐剤への理解が不可欠!防腐力の大小でコスパが変わってきたり、使用方法や保管にも気を遣わなければいけません。パラベンフリーや防腐剤フリーのアイテムを選ぶときは、肌との相性はもちろん、自分のスタイルに合ったものを選ぶことも大事ですね。

2019.02.20

ayame
この記事を書いた人
フリーライター/コスメコンシェルジュ ayame

元化粧品会社研究員で現在は主婦兼フリーライター。愛猫2匹とのリラックス時間が最大のスキンケア!北の大地から美容に役立つ情報をお届けします!